スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)



スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)旅と鉄道 2007年 11月号 [雑誌]山小屋の主人の知恵袋―生き字引に学ぶ登山術快適車中泊スポットガイド 全国版バンドスコア SEX MACHINEGUNS Barbe-Qマイケル (バンド・スコア)魅せられた瞳―モアランド公爵家の秘密 (MIRA文庫)くんちゃんのもりのキャンプ冬の都の物語―氷と海と知床半島本日順風―野に往く者の身の上相談集 (アウトドアライブラリー)鋼鉄城の勇士 (ハヤカワ文庫 FT 49 ハロルド・シェイ 3)


スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)
スローサイクリング―自転車散歩と小さな旅のすすめ (平凡社新書)

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お買い物自転車で充分(^ω^;)(;^ω^)

●スローサイクリングは日常の延長にある

 ほとんどのアウトドアレクリエーションは、自然環境の中まで出かけていかなくては、愉しむこと自体が難しい。ところが、自転車の良いところは、家から出発すれば即フィールドになる。

●開けた空間を走る

 自転車で走ることの気持ちよさのひとつは、開けた空間の中を進むことだ。
【川沿い】【臨海、臨港エリア】
 川や水路は、都市環境の中で数少ない、建物の立っていない空間である。
【線路沿い】
 電車や列車が来ていないときの線路というのは、静寂さに満ちている。
 川沿い、線路沿いは広告看板の類いが少ないので、空間がのびのびと感じられる。
【ローカル古道】
 古くからの道は、走りやすいことが多い。昔の道は、人や牛馬が曵く荷車の通行を考えて作られていた面があり、極端な急坂は避けるようにしたものが多い。遠回りしてでも、緩やかに上がっていく、という感じである。

●お買い物自転車で充分

 スローサイクリングでは、長時間走り続けることよりも、こまめに停車、発進を繰り返したり、方向転換をしたりする機会が多い。近所ならば、サイクリング専用車よりも買い物自転車の方が使い勝手が良い。乗っている時間よりも、降りている時間のほうが長いのだ。

●情報よりも体験・実感を第一にする。

 著者は鉄道や車で折り畳み自転車を運び、全国を走っている。そこで気づいたことがある。
 テレビなどのメディアを通して紹介される地方のありようは、ローカル的に見えないことが多々ある。テレビ番組の多くは、中央集権的な目線で物事を見る語り口のスタイルが基本だから。

 その語り口に、地方に住んでいる人も慣れてしまい、気がつかないうちにテレビメディアと同じ目線で見るようになる。中央集権的なものの見方になっていく。地方ごと、町や村ごとで異なるものの考え方や感じ方という面が見えなくなってくる。
 自分の身体を通して、その土地を見てみよう。
企画はバッチリ。でも文章が……

「スローサイクリング」というテーマにはすごく惹かれるし、
内容も「スロー」に相応しい、叙情的なトーンを「意識した」作りになっている。
決して自然な感じではなく、肩に力を入れてリラックスポーズを苦労して作りあげた感じだ。

やはり、この著者は文章がマズい。特に致命的なのは比喩。
下手なのは仕方ないとしても、いちいち言い訳を挿入するのはやめてほしい。
さらに、言い訳を妙な虚栄心て飾り立ててあるから余計に質が悪い。

そんなのは「寄り道」ではなく、地下鉄の敷設工事中で、昼間だけ一時的に穴を埋めている道を走らされているようなもんだ。
せっかく景色を楽しんでいても、不意に襲ってくる振動にいちいちケツを浮かさねばならず、不快この上なかった。

スローサイクリングをテーマにするなら、文章でもスローサイクリングさせてくれ。
少なくとも、もっと肩の力を抜いて書いてくれ。
先導者が「無理」していると、着いていく方が疲れちゃうよ。
「歌を口ずさむように」自転車に乗れ

 自転車文学研究室主宰の白鳥氏、前作「素晴らしき自転車の旅」では自転車でのグランツーリズムを「長い本を読み通す」ことに喩えていましたが、今回は、自転車での日帰り小旅行を「歌や詩を口ずさむようなもの」と表現しています。分かったような分からないような比喩ですが、自転車好きを自称するほどの者であれば、その心は分かりたいものです。
 さて、本書ですが、件の白鳥氏が、日帰りツアーに焦点を当てつつ、自転車に乗る楽しみや歓びを、またしても流麗な文章で語りまくるという趣向です。前作よりもいっそう文学的な語り口に傾いているほか、人間が自転車に乗る意味のようなものにまで立ち入りかけているようです。すなわち、氏によれば「自転車は人間の乗り物」であり「その人の全霊と魂と身体の乗り物」であって、「場合によっては、人間について、ほかならぬあなた自身について、何かを無言で語ることさえありうる」のだそうです。
 ちょっと気合が入りすぎて、もともと自転車に興味のない向きは思わず引いてしまうかもしれませんが、サイクリストやチャリダーにとっては、これくらいの思い入れがあった方がピンとこようというものです。
 ということで、およそ自転車というものに一抹であれ興味を抱かれる方におススメしたいと思います。
鉄道ファンにはお奨めです。

自転車のさまざまな楽しみ方を教えてくれるという意味において大
変参考になった。都市を走り田園を走り、水辺を走る。あちこちを
走破した筆者がその楽しみ方を教えてくれる。

サイクリングと旅にもかなりのページを割いている。電車や船、さ
らにはキャンピングカーなど、自転車と他の移動手段と組み合わせ
ての「小さな旅」を勧めてくれる。筆者が鉄道が大好きであるとい
うこともあり、鉄道との組み合わせにいろいろと参考になるところ
が多いといえる。

ただ、私自身は鉄道との組み合わせにあまり興味がなかった、とい
うか、近隣を走るのに精一杯というレベルであったので、今後の参
考ということで期待していたほどは、即効性のあるアドバイスには
ならなかった。その点は残念。
自転車関連書の新ジャンル開拓?

自転車関係の出版物は、メカニック面や競技スポーツとしての楽しみに絞ったものが多い。ツーリングコースの紹介や旅行記もあるが、その記述は概して底が浅い。自転車ライターの層は薄く、訪れた地の情景をいきいきと再現できる実力者は稀だ。

そこで期待したいのが白鳥氏なのである。現地に溶け込み、ペダルを踏んで五感で風を感じる自転車の旅は、本来、車や鉄道ではできないくらい、土地の空気を満喫できる奥深い体験なのだ。その自転車旅で出会った風景を、本書は、読んでいてはっとさせられるような詩的・文学的表現で描き、単なるコース紹介や体験記にとどまる他書とは一線を画している。狭い意味での実用性は有さないかもしれないが、「どこかへ自転車で行きたい」と思ったとき、旅先への夢とインスピレーションを与えてくれる好書である。

これから著者が、「自転車文学」という新たなジャンルを切り拓いていくことを期待し、応援したい。



平凡社
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